Yumenikki Dream Diary 初プレイ感想

夜分遅くにこんばんは、こさかさんだったりそうじゃなかったりする者です。

 

つい2時間ほど前、Nintendo Switch版『Yumenikki Dream Diary』が解禁されました。このゲーム、気になってたんですよね。ドラクエビルダーズ2の体験版を眺めているときに偶然これを見つけ、ワクワクして前日に支払いDLを済ませました。

 

前情報は何年か前に見た、某何も知らない友人な実況者の動画でした。そのときは『あぁ、アクション要素がちょっと増えて横スクになった感じか。3Dゲーだしそうなるのもしゃあないもんかなぁ…』という印象でした。

 

そして、例の如く3DでPCゲーだったため断念。当時はSteamの支払い方法ってクレカしか知らなかったんでね…今はプリペイドカードがあるようで。

 

…で、気にはしつつも実況動画はそのときはその1本しか無かったのでその後はすっかり忘れて別なゲームに流され月日が経ちます。そして冒頭に繋がるわけですね。

 

では率直に感想を言いましょう。

『これ、ゆめにっきである必要あった?

です。これに尽きる。

 

この『Yumenikki Dream Diary(以下ゆめにっきDD)』、実況動画で見て知ったとおりアクションゲームです。…普通のアクションゲームというだけならまだ希望は捨てきれません。ドラゴンズドグマFF15など、アクションゲームだとしてもどこかのどかな時間を味わえる作品は山のようにあります。(そういう意味ではぼくなつ4とかもそうと言えるでしょうね。)

ましてやこのゆめにっきという作品、フリーゲームの中でも怪作と名高い一作で、なんと目的もアテもなくただただ探索しつづけるだけという内容なのです。背景やオブジェクト、短いループの音楽から放たれる仄かな夢の雰囲気だけが滾々と伝わってくる、エンターテインメントというよりアーティスティックであるとも言える珍妙なゲームです。しかしそれ故にカリスマと独自性を帯び(一応、LSDというPSのゲームにインスピレーションを受けているという話もありますが)、今も尚人々を惹きつけてやまず、ファンによる二次創作や派生作品が作られ続けている人気作品なのです。

 

しかし、ゆめにっきDDはそれとは違いました

最初に出てくる説明文には、「全ての夢の扉をクリアすれば最後の夢の扉に行けるようになるよん」的なことが書かれています。

そう、夢の世界を舞台としているはずなのに、明確な目的が生まれてしまっているのです。

確かに、実際の夢にも目的が提示されそれを目指すようなものも存在します。しかし、ゆめにっきというフリーゲーム作品には、目的らしい目的は存在しなかったのです。あれは、目的も理由もなく散策して、その先で迷ったり色々と考え込んだりするような作品でした。しかしこのゆめにっきDDには目的が存在している。

 

そして次に気になったのが、文字の存在です。ゆめにっきという作品は多くを語りませんでした。出てくる文字といえば最初の解説と数字くらい。他は全てオブジェクトの動き効果音、雰囲気によってプレイヤーが考えて受け止めるしかありません。

でもゆめにっきDDには文字が沢山出てきます。最初のポエムであったり、背景であったり。

数多く存在するファンメイドの派生作品、所謂ゆめにっき派生シリーズにおいてもそれは踏襲されており(うぃとる系列など異端児もいますが)、膨大な人とデータが関わっている合作ゆめ2っきにおいては文字イベントを1ヶ所に集め、そのうえオン・オフの切り替えが可能という対処(?)をとっています(それでもかなり変な文章が多いですけど…かず うま)。

本当にこのゲーム、本家ゆめにっきをリスペクトしているんでしょうか?という失礼な疑問すら湧いてきます。

 

また、このゲームが本家ゆめにっきとは違うところ、それはあからさまなお邪魔キャラやトラップ(失敗させる)という配置が存在するところでもあります。…本家ゆめにっきにも鳥人という、こちらを追いかけてきて、捕まえて閉じ込めてしまうキャラクター自体は存在します…しかし、彼女たちは頻繁に出てくるわけではなくまた数も疎らで、そのうえ一定の条件を満たさない限り追いかけてはこない(実は鳥人間と呼ばれるキャラクターは厳密には2種に分かれており、見かける頻度の比較的高い方の鳥人間は普段は襲ってきません。ところが稀に、発狂鳥人というはじめからこちらを狙ってくる者が出てきます。しかし、それらはかなり限られた、それもおどろおどろしい雰囲気のところばかりに現れるので、初見でも半分くらい進めればなんとなく出そうか出なさそうかがある程度予測できたりもします)というものでした。

ところがゆめにっきDDには明確なお邪魔キャラが登場します。そのうえ、見た目は本家ゆめにっきでは無害またはただのオブジェクトであったような者たちの見た目をしています。転がってくる目玉にブチ殺された(と言ってもステージの最初に戻るだけなんだが…)ときは、なんだか裏切られたような感覚さえありましたね。包丁で刺しすぎて復讐に来たのかとも思いました。

 

そして何より、このゆめにっきDD、縦横無尽に散策するということは最小限に抑えられています。本家の醍醐味どころかゆめにっきがゆめにっきたる条件(ゆめにっき派生界きっての異端児・うぃとるとその派生作品ですらそこは聖域であると言わんばかりにキッチリ守られています)なのに、です。

曲がれそうな角には透明な壁。開きそうな扉は開かない。通れそうな隙間もない。殆ど一方通行です。ところどころアクションも3Dで自由にウロウロできて複数道があるところもありますが、逆になんでそれを8割の場所で実行しないのでしょう(本家にも2D…というか1本道しかない場所はあります。そういうところは他とは違い強く印象を植え付けられますが、違和感はなく、また適度に配置されていました)。しかもその分岐の先には大抵短めのアクションステージか謎解きステージが配置されており、これではせっかくの本家踏襲ポイントもまるで星のカービィ夢の泉の物語のステージ選択画面のようです。惜しい!(えらそう)

わがままを言うなら10倍の値段でも買うのでただただ全編3Dグラフィック化させただけのゲームの方がよかったです。

 

…いろいろとだらだら述べてきましたが、買った手前最後までプレイします。…しかし、これはゆめにっきをプレイしているという感覚はあまり得られないゲームでしょう。何をどうリスペクトしたらやけに早く動く足場に飛び乗り失敗したらよく分からんところから再開させられ、あちこちに四魂のかけらよろしく散らばった設定資料集を掻き集めるゲームになるんですか!ゆめにっき厨だったころの私の悪夢か!

製作者は、ゆめにっきプレイしたことあるんでしょうか。もしかして、実況動画だけ見て「退屈だな~このゲーム。ここでアクションステージとかあったら実況者がリアクションして面白くなるのにな~」とか言いつつ頑なに自分ではプレイしたがらない(インストール関連のあらゆる工程をめんどくさがる)中学生が成長して作ったんでしょうか。そんな感じです。なんていうか、味よりインスタ映えを狙ったような見た目の料理を提供する小綺麗な木造のカフェみたいですね(悪意)。

 

最後に。

本家ゆめにっきのあの雰囲気以外は受け付けられない!ってな人にはオススメしません(というかできない)。そういう人は、今ならスマートフォン向け本家ゆめにっきが360円払えば無料で遊べちまうのでそっちを買ったほうがいいです。

逆に、ダラダラしたゲームは飽きちゃう!ホラーゲームやアクションゲーム大好き!な人にはうってつけでしょう。ゆめにっきを青鬼みたいなホラゲだと思ってインストールして十分くらいで歩みの遅さとマップの広大さにダルくなった経験のある人とかにはうってつけなゆめにっき作品でしょう。

 

以上です。私は本家ゆめにっき厨なのでめちゃくちゃ偏ったカスみたいな文句しか言ってませんが、原作厨なんてだいたいこんなもんなので…(暴言)。まぁ、迷っている貴方の買う・買わないの参考程度に読んでもらえれば幸いです(ダラダラと長いけど)。

さて、じゃあ私はドラクエビルダーズ2買ってきます。おやすみなさい、良い夢を!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(やっぱこういうのはKADOKAWAじゃなくて日本一ソフトウェアの方が向いてるんじゃないかなぁ)